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アオイ記録(心の声)

こころの声だよ

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アスペルガー症候群⑦(アズさん続き2)

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 診断するまでは、娘も母親の言動に混乱して、泣き喚いてうろたえていた。夫婦喧嘩もしょっちゅう目の当たりにして、泣きながら間に入ろうとしていた。
 ところが診断後、母への態度が明らかに変わった。母が怒っても、ひどく慌てても、関わろうとしない。さっと別の部屋に行き、ドアを閉めてしまう。
 そんな時に一度、こんなに私が怒っているのに娘は何をしているのだろうとアズさんは娘の様子をうかがってみた。部屋の中から、となりのトトロのメロディーで、「となりのアスペルガー、アスペルガー、うちの中に昔から住んでる♪」という鼻歌が聞こえてきた。

 このアズさんの娘の行動は、娘なりに「仕方ない」と母の怒鳴ってしまう行動を認め、怒鳴られるたびに真正面から受け止めていては心がどんどん傷ついてしまうので、自分が傷つかない方法を考えているのだろう。

 診断を受ける前はビジネスパーティーに参加するとしばしば「アズさんをパーティーに呼ばないでください」とクレームを受けていたそうだ。人と関わるのが怖かったアズさんだが、診断を受けてからは前向きになり、人と出会った時に「アスペルガーという“うそがつけない病気”です。お話をしていて違和感を与えてしまったらごめんなさい」というふうに挨拶をするようになった。
 このように、対策をたくさん練って、人付き合いをうまくするためにアズさんは自分に30ものルールをつくって、自分も生きやすく、他人への迷惑も軽減させようと努めている。
たとえば、自分の「あいまいな言い回しに弱い」という特性を知ると、人のあいまいな表現から気持ちを汲み取ることもできなかったわけもわかり、「具体的な指示や真意を確認する」という工夫をしている。
 
家族の逃げ場もつくろう
 アズさんのルールの一つに、「家族の逃げ場もつくろう」というものがある。アスペルガー症候群であることを自分が理解し、向き合って、周囲にわかってもらい、そして家族の逃げ場をつくることが大切なのだ。それを、ルールの一つに書いている。以下、抜粋。

 アスペルガー症候群の人には、「変わり者と言われてしまう自分のことを分かってほしい」という気持ちが強くあることと思います。私もそうです。
 でも、個性の強いアスペルガーの価値観やペースに相手を巻き込んでばかりいると、相手が疲れ果ててしまうこともあります。
 嫌気を感じ離れていってしまうこともあります。

 特に家族や同じ職場の仕事仲間など、離れたくても離れられない関係である場合、相手に気持ちのやり場や、逃げ場をつくってもらう必要があります。

 私というアスペルガーの妻・母を持ち、理解できずに苦しむことが多かった夫と娘。以前よりだいぶ改善されたようですが、それでも私について相談したり、一緒に対処を考えてくれたりしてくれる存在や、ときには私から解放される場所や時間が必要だと私は考えています。

 特に親がアスペルガーである子どもは、密接な共同生活を余儀なくされるので、疲れたときや嫌になったときに、子どもが自分で判断して逃げ込める場を用意しておくことが、子どものためのケアとして不可欠だと感じます。
 11歳になる娘は、ときどき私に対して激怒するほど嫌になることがあるようです。
 そこで、おばあちゃんの家や、学校の友達の家、相談相手として習い事の先生を頼りにしているようです。
 ときにはそうした駆け込み先から、娘の限界を知らされることもあります。
 そうしたサポートを得るためにも、日頃から周囲の理解を得ておくことが大切です。