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アスペルガー症候群⑧(終わり)

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4 対策
 アズさんは、診断を受けてから気持ちが晴れたといい、前向きにアスペルガー症候群としての自分と向き合い、家族も、アズさんのわけのわからない言動を「仕方ない」と思って認め、ときには逃げて、うまく付き合っている。
 診断を受ける前と後では本人も周囲も明らかに変わった。お互いがうまく付き合っていくためには診断を受け、アスペルガー症候群を理解することが必要なのだ。

 しかし、アスペルガーの人は自分で気づくことが難しいし、想像外のことを受け入れにくいので、診断を受けるまで至ることが難しい。勧めたところで激怒しかねないのだから。
 
 そこで、本人に自覚がなくても、周りが気づいている場合にできる対策を考えたい。
 対策の基本はまずアスペルガー症候群を理解するということだ。アスペルガー症候群の人は社会性、コミュニケーション、想像力の3領域に障害があることは先に述べた。困った、不適切な行動、風変わりな行動をとったとしても、「わざとやっている」とか「ふざけている」わけではない。そのような行動の多くはアスペルガー症候群特有のハンディキャップのために生じているのだ。以下にアスペルガー症候群の人との付き合い方のコツを述べる。

予測しやすい環境
 アスペルガー症候群の人は予測できないことや変化に対して苦痛を感じることが多い。どこで何が予定されているかということをなるべく前もって伝えることが対策として挙げられる。言葉だけでなく文字で伝えるのが効果的だ。つまりスケジュールを予告することが大切なのだ。現実の生活では予定どおりにいかないことも沢山ある。予定外の出来事やスケジュールの変更も、できるだけ本人にわかるようにたとえ直前であっても明確に伝えることが大切だ。

 私の父も、何かを伝えてもすぐには何も理解できなくてただ否定する、激怒する。後に頭の中で整理できたのか訂正をして認めてくれることもある。私たち家族が見つけた父へのモノの伝え方がある。手紙を書く事だ。言葉では理解することが難しくても、文字なら動かないし、何度も読めるからか頭に入ってくるらしい。この対策で私たち家族は父とコミュニケーションをとることに成功した。
 スケジュールに関しても、家族のスケジュールをやたらと質問してくる。私たちは自然の流れで家族の誰が何をするのにも対応出来るのだが、父はあらかじめ何時に誰が何をするかの予定がわからないと混乱するようだ。そこで、予測しやすい環境を作るということが必要となる。

安全で穏やかな環境
 アスペルガー症候群の人は騒々しい環境が苦手だ。余分な刺激の少ない静かな環境で接することが大切である。できるだけ感情的にならず穏やかに冷静に話をする姿勢を持つことが対策だ。
 アスペルガー症候群の人は怒りやすく、こちらも感情的になってしまいがちなので、激しい衝突になってしまうことが多いが、こちらが冷静に対応することで激しい衝突を防ぐことができる。怒り出したら傷つけられてしまうので逃げることも必要だ。

ルールや指示は明確に
 アスペルガー症候群の人にとって「暗黙のルール」の理解は困難なものだ。ルールはできるだけ明確にすることが必要とされる。曖昧な指示や皮肉、言外の意味の理解を期待した指示は理解できないと思って対応することも必要だ。場に関係のないことをしつこく聞きたがる、話したがる場合には、「今この場ではその話はできない」とか「この話は5分で打ち切る」などと情況に応じて明確に伝えた上で、「いつどこでなら話をしても良い」という代替の提案をできるだけ明確に伝えることが対策だ。